66. エマとレコア (ζガンダム考察)
まぁわかる人にはあーって感じでしょうね。
とりあえずζガンダムをわからない人向けに簡単に説明します。
一年戦争でアムロら率いる地球連邦軍[地球が中心となってコロニー(宇宙における人々の居住区)を治める考え方]がシャアらが率いるジオン公国(コロニーが中心となって人々を抑える考え方)に勝利した後、地球連邦軍が腐敗し、地球に逆らったらすぐに潰す組織、ティターンズが生まれました。(詳しい人向けに考え方だけで行くと逆襲のシャアのロンドベルと同じかな笑)しかし、その行動はどんどん目に余るものになり、ついにティターンズのやり方に反対だったコロニーに毒ガスをまき、住民1500万人が全滅する30バンチ事件がおきます(正確にはサイド1、30バンチのコロニーだったかな)。これによりティターンズに対抗する組織エゥーゴ(連邦軍とはいえ、反地球組織と名乗った)(そこに主人公カミーユやシャアやアムロがいた)が誕生します。その二つの組織が戦った戦いをグリプス戦役といいます。(正確には後からジオン残党組織アクシズが参戦し、三つ巴となり、後のネオジオン抗争を生んだ)
簡単に説明するとこんな感じ。
[もっと人と人の関係を知りたい人は以外の写真を参考に(ネタバレ含む)
]
さて今回はエマとレコアの比較。二人とも裏切りものなのですが、裏切った理由が正反対なのです。
エマの場合、最初はティターンズにいたのですが、ティターンズのやり方に疑問を持ち、脱走そしてエゥーゴに寝返ります。(五話ぐらい)
レコアの場合、途中までエゥーゴにいたのですが、シロッコという(ラスボスとはいいがたいが一応ラスボス)男にひかれティターンズに寝返ります。(35話)
この二人の何が正反対か?
それはエマの場合は軍人として裏切ったのに対してレコアは女として裏切ったことです。
そしてこの二人の運命を富野さんが上手く描いたのがもちろん最終回、エマとレコアが相討ちして共死する場面。レコアは最期に、
[男はみんな戦争で女を道具のように扱うのだから]
と言います。クワトロ大尉(シャアのこと)には文字どおり道具として、自分を女として扱っているようにも思えたシロッコも結局道具として扱われた絶望から出た言葉でしょう。
それに対してエマは、瀕死状態の身体で初めて自分を見つめ直し、自分は女だったことを自覚します。そしてレコアと同じく自分も道具として扱われたことに気づきましたが、時すでに遅し。それでも最期は軍人としても女としてもカミーユにこの戦争を終わらせるように自分の魂をカミーユに託して亡くなります。(結果的にカツやフォウやロザミアやサラやアポリ中尉等の戦死した人の魂を集中し過ぎて、あんなことになってしまう泣)
戦争での女の扱いはよくあるパターンですが、それを裏切り者として描きその思いを視聴者に伝えようとした富野さん。やっぱり天才だ!
以上となります。
では......